揺蕩っていたい。
君に、
君の温もりに。
朝、目が覚めると健太に包まれていた。
「おはよ」
俺しか聴けない甘い声で、
優しい表情で発されるおはよう。
かけがえのない言葉。
「おはよ、健太」
チュッて、スタンプを押すみたく一瞬唇にキスすると、途端に真っ赤になる君。
……夜はあんなことしてきたくせに。
…そういうところもたまらなく愛おしいんだ。
「コーヒー淹れよっか?」
提案すると、ぎゅっとさっきより強く抱きしめられる。
「もうちょっと、こうしてたい」
その台詞を言うのはいつもは俺の方なのに。
胸がくすぐったくて、フワフワする。
伝わる君の温もり。
少し早い心音。
俺も健太の背にまわしていた腕の強さを少し強くして、目を閉じた。
日曜日。
2人でもう一度眠ってしまおう。
やわらかな朝。
もう少し揺蕩っていたい。
君に、
君の温もりに。