閉めたままのカーテンから柔らかく光が差し込んでくる。
仕事が休みの今日は、健太が「今はそんなに忙しくない」と言ったのをいいことに朝から彼の家にあがりこんでいた。
「…っ」
小さく漏れる君の声にトクトク心音が高鳴る。
「健太、耳弱いよね」
わざと耳元でささやいて、もう一度耳たぶに口づけると、
「ちょ…、も…っ」
身をふるっとよじって目を伏せる君。
どちらかというと色白な顔がほんのり染まっていて、なんつうかたまんない。
「朔は…」
君のそんな姿に見とれていたら、キュッと抱き寄せられる。
「ここ、好きだよな」
首筋にチュッと音をたてながら何度もキスされる。
それだけで体が熱くなってくるものだから、何も言えない。
「こうされるのも」
今度は舌先でそこをなぞられて、思わず肩を小さく跳ね上がらせる。
息が少しあがる。頭が甘くしびれてく。
「ちょっと痛くされるのも好きだよな」
柔く歯を立てられると、
「や…っ」
自分のじゃないみたいな甘い声。
体の力が抜けてきて、健太にギュっとしがみついた。
至近距離で視線が交わる。
君のまなざしがいつもの柔らかなそれと違って、熱っぽいことにドキドキする。
頬に添えてくる手のひらも熱い。
唇を舌先でなぞられて薄く口をひらくと、君の舌の艶めかしい感触。
絡めて、絡められて、とけていく。
クチュッと唾液の混ざり合う音。
甘く乱れた2人の呼吸。
少し汗ばみはじめた身体。
春の木漏れ日に包まれた部屋が、急速に色を変えていく。